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相続などで不動産を共有名義にする場合のメリット・デメリット

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2023.09.07

相続などで不動産を共有名義にする場合のメリット・デメリット

不動産の共有とは

親が自宅を所有しており、相続人が複数いた場合は、相続時に親の不動産をどうするのか当事者間で話し合うことになると思います。協議した結果、空き家を複数の相続人が共有で相続することもあります。不動産の共有名義において注意すべき点や、対策等について解説します。

不動産の共有名義のメリット・デメリット

メリット

相続人同士での公平感が大きなメリットのひとつです。
事前に共有名義することを取り決めていた場合、遺産分割の際も揉めにくく、相続の話し合いがスムーズに進む例が多いです。
近年では相続を原因とした空き家が増加傾向にありますが、空き家を相続したときに結論を留保する手段として共有名義が用いられることも多いようです。「空き家なのでいつかは処分なり売却しなければならない。しかし今は相続直後で結論を出す余裕がない」といった状況のときに、近い将来の話し合いを前提に共有にするのです。
相続した不動産が収益物件であれば、持分に応じて利益を受け取る権利も取得できるので分配が楽というメリットもあります。

デメリット

共有者間で相続財産に関する考え方が同じならばいいのですが、「生前の親の介護を誰がしていたか」や「不動産以外の遺産分割に納得いかない」など意見の食い違いなどで揉めてしまうケースもあります、他にも不動産の管理や処分の方法について意見が食い違うと解決が難しくなります。原因として共有不動産の場合、管理・処分は単独で行うことができないという点が挙げられます。
時間が経つほど共有者間の話し合いは難易度が高くなる傾向にあり、解決できないまま共有者が死亡し、世代交代が進んでしまうことも考えられます。共有者の子どもが複数いる場合に、漫然と相続が行われると、子どもの人数に応じて共有者が増加します。なかには所在不明者が出ることもあるかもしれません。
話し合いの意思がない共有者がいるケースは特に注意が必要で、不動産では持分だけの売却も可能なため、見知らぬ他人が持分を買い、共有者になることもあり得ます。

不動産共有名義への対策について

【相続財産が不動産以外にもある場合】
・相続人一名になるよう単独名義にする
ほかの相続財産との配分を工夫して公平に分けられると理想的です。話し合うべきボリュームが多いので、相続発生前から親族間で相続について話し合っておく必要があります。

【相続財産が不動産のみの場合】
・相続人一名になるよう単独名義にする
上記の「不動産のみの事例」で単独名義を目指すときよりも難易度が高くなります。単独名義人となる方の資産など用いて共有名義となる予定のあった方に持分相当を分配したり、生前から遺言書を活用したりすることで単独名義の実現性を高める工夫をしておきましょう。
・分筆する(土地のみ)
不動産のみの相続財産を公平に分ける必要がある場合、分筆する方法があります。分筆とは1つの土地を分けて、別々の土地に分割し、分けることです。土地を任意の割合に分けてそれぞれに登記を受ければ共有を避けることができます。ただし地域によって最低敷地制限や土地の広さなどの理由から分筆できない場合もあります。分筆を選択肢に入れる場合は相続開始前に調査してもいいでしょう。
・相続せずに売却する
すでに相続人が自身の自宅を保有している、賃貸だが遠方に住んでいるなどの理由で、不動産を相続するのが難しいことが分かっていれば、売却する方法があります。現金化することで相続人同士での話し合いがつきやすいというメリットがあります。
・相続放棄
他の相続人が相続放棄をすると、その方は初めから相続人でなかったことになりますので、相続放棄した方の子供が相続権を引き継ぐこともありませんし、相続手続きに参加する必要もなくなります。遺産分割協議に参加する意思もない場合には有効でしょう。

【すでに共有名義の場合】

共有名義は解消することが出来ます。共有解消に向けて動き出すなら、まずは当事者同士での話し合いが必要となります。もし話し合いにならない場合は、弊社のような不動産業者や司法書士や弁護士など第三者を間に入れて話し合うことにより、共有解消に向けて話しが進むこともあります。

それでも難しいようであれば「共有物分割のための分割請求」を行いましょう。共有物分割とは、共有している不動産等の共有状態を解消することです。原則として、各共有者はいつでも分割請求をすることが可能です。ただし、当事者間の合意により「5年以内は分割しない」といったような制限を設けることもできるので、制限がないか事前に確認しておきましょう。
分割請求により共有関係を解消するならば、次のような解決策が考えられます。

・ 分筆して各々単独名義にする
・ 持分放棄により単独名義とする。(放棄した共有者に金銭を支払う必要があります)
・ 持分売却をして単独名義とする。

不動産の広さや現在の利用方法によって解決方法は変わってきます。当事者間で納得のいく方法を探っていきましょう。

不動産共有のメリット・デメリットを知って慎重に選択しましょう

相続が発生したとき、話し合いを早期にまとめる為に一見楽に思える「不動産の共有名義」を選択してしまう場合もあるかもしれません。しかし一度に共有名義になると、不動産を売却したいと考えたときには再度話し合いをすることになります。不動産をどう相続するのかは将来の見通しを持って行いたいものです。話し合いがうまくいかない場合は専門家に相談しながら、相続人全員が納得する答えを見つけていきましょう。

弊社はそのような共有不動産を解決してきた実績と経験があります。売却を前提とした共有解消のご依頼の場合、解決費用は無料にて行っています。お困りの際はご相談ください。